”来るべきアートのための小さな苗床”

那須山麓、３万６千平方メートルの自然の中にたたずむ「アートビオトープ那須」は２００７年の開業以来、自然豊かなリゾートとして、そしてアートを体験できる場として多くの支持を集めてきた。

　２０１８年に完成したランドアート「水庭」は、見学の予約がなかなか取れないほどの人気。今年の１０月には坂ばん茂しげる氏設計のスイートヴィラ１５室がグランドオープンし、また新たな注目を集めている。小川に挟まれて立つスイートヴィラは緩やかな傾斜をいかして独立しており、那須の自然をより身近に楽しめる造りに。併設する「レストランミュー」は「シードからテーブルまで」をコンセプトに、野生の滋味あふれる食材の力を存分に生かした料理を楽しめる。

宿泊とあわせて楽しめる、本格的なアート体験ができるスタジオも。吹きガラスやサンドキャストを体験できるガラススタジオ、陶芸に打ち込めるポタリー（陶芸）スタジオ、サスティナブルなインディゴ染めができるインディゴスタジオなど、自然の中で自らの感性と向き合い、旅の思い出をかたちに残すことができる。

この上なく自然の声に耳を澄ませられるアートビオトープ那須。訪れる人の感性が交感していく場として、これからも那須の山麓で緩やかに進化を遂げていく。

Text by Chako Kato