夕日を眺めながら浸かる湯

海のすぐそばにある、ログハウスの佇まいが印象的な「長崎温泉 喜道庵」。伝統的な建築様式である校倉造りの建物は、1998年に創業した当時のままだ。
喜道庵を訪れる人の目的は、源泉掛け流しのお湯、そして何と言っても大海原の絶景。露天風呂に浸かると目の前の雄大な大村湾と一体化しているような、包まれているような気持ちになる。トロトロのお湯は42度ほど。およそ45度の源泉を、湯量を繊細に調整することで適温にしている。お湯の調整はスタッフの皆で行なっているそうだ。

「海を見ながら露天風呂に入っていただけるのがいちばんです」と、支配人の大串恵里奈さん。副支配人の田中賢二さんは、「夕日が綺麗なんです」と、特に夕方の時間帯を勧めてくれた。
「夕日がちょうど正面に沈んでいくのが見えます。それを見たくて来るお客さんもたくさんいらっしゃいます」と大串さん。どの季節の海も夕日も美しいが、特に寒い時期に客数が増える。

2022年に敷地内に新設されたコワーキングスペース「ムカヴァランタ」も好評だ(ムカヴァランタはフィンランド語で“心地よい浜辺”の意味)。リモートワークをしながら、合間に温泉に浸かる人も多い。地域を代表する温泉として、幅広い層に親しまれているようだ。
15年以上勤める田中さんは、喜道庵でお客さんをもてなす喜びについて教えてくれた。
「『長崎にこんな温泉があったんですか』とか、『やっぱりお湯が良かったね』と言われるのがいちばんです」
「『今までの温泉の中でいちばんよかった』と言われることも多くて。そう言ってくださるのは嬉しいです」と、大串さん。
来る人も働く人も、笑顔で時を過ごす喜道庵。唯一無二のロケーションを誇る温泉は、多くの人にとって大切な場になっているようだ。
Text by Chako Kato
Photographs by Kei Sugimoto
長崎温泉 喜道庵
- 〒851-2121 長崎県西彼杵郡長与町岡郷2762-1
- TEL : 095-887-4126
- URL : https://kidoan.com/
- 営業時間:10時〜21時
料金:大人 ¥1000、子ども(5歳〜小学生)¥500