心も体も綺麗にする、
デトックスの湯
2020年11月、京都・二条城から程近い地に誕生した「HOTEL THE MITSUI KYOTO」。三井総領家の邸宅が250年以上あった跡地に建つ、広大な庭があるラグジュアリーホテルだ。オープンはコロナ禍だったが、ここ数ヶ月で海外からの観光客が増え、京都の新しい顔の一つとなった。
ホテルのスパエリア「サーマルスプリングSPA」は、宿泊客のみが利用可能。プールのような大きな浴槽が広がり、利用時には水着の着用が求められる。裸で入浴する日本の大浴場に抵抗のある海外客からは、好評の声が多く聞こえてきているそうだ。男女混浴のため、家族やカップルで一緒に楽しめるのも嬉しいポイントだ。余裕を持って過ごせるように入場人数が制限されているため、窮屈な思いをすることもない。
中に入りまず目に入るのは、浴槽の中央に鎮座する、香川県の庵治地方でのみ採掘される花崗岩・庵治岩を用いた巨大な岩のオブジェ。洞窟をモチーフにデザインされた空間は、明るすぎない照明も相まって、湯に浸かる前から心が落ち着く。ちなみに、スマートフォンや音楽を聴くための機器なども持ち込みができない、いわゆるデジタルデトックスが推奨されている。スパが掲げるテーマ「静謐を湛える」にふさわしく、喧騒から遠のいて自分自身を見つめ直すための時間を過ごせる場所だ。仲間と一緒に楽しんでも、一人でじっくり浸かってもいい。ゆったり過ごしてほしいというホテルの想いから、湯の温度は38度と39度、ジャグジーが40度とややぬるめの設定だが、ナトリウムやカリウムが多い泉質のため上がったあとに体がポカポカと温まるのが特徴だ。
穏やかな、自分のペースで湯に没頭できる空間は、きっと誰にとっても心地よい。旅先で心身を癒したい時、ふと立ち止まってゆっくりと考え事に浸りたい時、訪ねるのにはぴったりな場所だ。
Text by Chako Kato
Photographs by Kei Sugimoto
HOTEL THE MITSUI KYOTO
- 〒604-0051 京都府京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284
- TEL : 075-468-3100
- URL : https://www.hotelthemitsui.com
- ¥113,850円~(1泊一室料金)
地下鉄東西線「二条城前」駅から徒歩3分。二条城を臨む三井家ゆかりの地に誕生した最上級ラグジュアリーホテル。エントランスは、300年以上の歴史をもつ「梶井宮門」を修復再現。サーマルスプリングの他に、SPAトリートメント、貸切プライベート温泉、ジムなどがある。