湯道百選

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長野・軽井沢

星野温泉 トンボの湯

HOSHINOONSEN TONBONOYU

湯は、未来の礎になる。

観光客のみならず、軽井沢町民や別荘族の共同浴場としても愛されている「星野温泉 トンボの湯」。この湯が存在しているからこそ、今日の星野リゾートがあると言っても過言ではない。歴史を遡れば、星野佳路代表の曾祖父にあたる星野国次は無類の温泉好きであったという。好きが高じて温泉の掘削を始め、気がつけば15年。星野家破産か?とまで噂されたところで湯が出て、今日の星野リゾートの礎が築かれたのである。

大正4年に湧いた温泉が「トンボの湯」という名前で生まれ変わったのは2002年。「星のや」ブランドの建築を数多く手がける東利恵さんが、宿場町をモチーフにデザインした。シンプルかつスタイリッシュでありながら、温もりを感じる空間構成。浴場内に流れるジャズは星野代表の拘りによるものだ。


毎分400リットル湧き出す湯はもちろん源泉掛け流し。温度の違う3本の源泉のブレンドをスタッフが毎日変えながら、内風呂41.5度、露天40度という湯温を保っている。そして湯と同じく素晴らしいのが、露天風呂の一角に設けられている水風呂。野鳥の森からひいてきた水温12度の冷たい天然水は、多くのサウナーたちからも絶賛されている。
 さらにここは、誠実さも随所に感じられる。プラスチック桶を使わず、木桶を使用。総勢20名の運営スタッフが5名1組となって毎朝4時から準備を始めている。

星野リゾートの地元に寄り添う姿勢とホスピタリティの原点がトンボの湯にある。
ここは、まさにこの新緑の季節がいちばん美しく、心地良い。


Text by Kundo Koyama
Photographs by Alex Mouton

星野温泉 トンボの湯

  • 〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町星野
  • TEL : 0267-44-3580
  • URL : http://www.hoshino-area.jp/archives/area/tonbo
  • 営業時間:09:00-23:00(22:00 最終受付)
    料金:一般 ¥1,300/ 子供750円(3才〜小学生)

温泉の脇を流れる「湯川」という名前から、星野国次はこの地に温泉が眠ることを信じ、15年の歳月をかけ湯を探し当てた。トンボの湯は、源泉かけ流しにこだわった立ち寄り湯。循環・加水をせず、毎日換水する。源泉は良質な軟らかい湯で、「美肌の湯」といわれる。ハルニレテラスから徒歩圏内で、食事やショッピングの合間に、気軽に立ち寄ることができる。