湯道百選

40.5
群馬・草津

奈良屋

NARAYA

江戸時代から継承される
「湯守」の文化


1877年(明治10年)に創業した「草津温泉 奈良屋」。草津温泉が奈良時代に発見された謂れと、繁栄していた奈良時代にあやかりこの名前が付けられた。
 創業143年を誇る奈良屋では、今でも湯を管理する「湯守」の文化が継承されている。いわゆる湯の番人のことで、江戸時代、土地の領主が源泉の管理者として与えていた地位がその始まり。現在の奈良屋では、2人の湯守が9つある浴槽の湯を42度に調整している。365日24時間、天候や客数を見ながら湯を見るのは大変だが、人手が多いと湯が「決まらなくなる」ため、2人がベストなのだそうだ。


日本屈指の温泉街である草津だが、ここ数年は湯畑の整備や湯もみショーの企画を始め、草津町長の黒岩信忠氏による取り組みが功を奏し、観光客は右肩上がりで増え続けている。新宿駅から直通のバスが運行されている影響もあり、意外にも客層は20代が厚い。リーズナブルな素泊まりと、高級路線の宿泊の棲み分けがされていることも、幅広い年代に人気がある理由のひとつ。湯治の文化もいまだに根強く、奈良屋には半年以上滞在する人もいるという。

 旅館同士の結びつきも強い草津温泉。街全体でこれまで観光業を盛り上げてきたように、新型コロナウイルス感染が収束した後の盛り返しもすでに考え始めているという。草津温泉の伝統や勢いは絶えることなく、きっとこれからも続いていく。

江戸時代の温泉番付では、常に草津温泉が東の頂点(大関)に君臨していた。


Text by Chako Kato
Photographs by Alex Mouton

奈良屋

  • 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津396
  • TEL : 0279-88-2311
  • URL : https://www.kusatsu-naraya.co.jp/
  • 【宿泊】
    料金:¥27,500円〜(1泊2食/2名様1室利用時)

    【日帰り入浴】
    時間:12:30~14:00
    料金:大人1,200円 子供(3歳~小学生)600円(税込み)

草津温泉のシンボルとして、中心地に位置する「湯畑」から徒歩2分。好立地に位置する、創業明治10年の老舗宿。草津温泉に「湯守」が生まれたのは江戸時代。温泉(源泉)の管理人として、土地の領主から「湯守」の地位が与えられたことが始まり。何代にも渡る「湯守」の技や想いは先代から後輩へと伝承され、今もなお日本の伝統文化として、ここに息づいている。